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最新更新日:令和5年1月4日

 

新年のご挨拶
<令和5年 年頭所感>

中部近畿産業保安監督部長  
中部近畿産業保安監督部長  片岡 秀之

 

新年を迎えられましたことを心よりお慶び申し上げます。また、平素から、産業保安の確保への御理解と産業保安行政への御高配に感謝申し上げます。

 

新型コロナウイルスの感染拡大は、未だ我が国の社会経済活動に影響を及ぼしておりますが、政府は、昨年9月に新型コロナウイルスへの対応と社会経済活動の両立をより強固なものとしたWithコロナに向けた新たな段階への移行を決定しました。皆様におかれても、引き続き感染予防対策を講じながら日々業務を遂行いただくようお願いいたします。

 

昨年を振り返りますと、6月19日には石川県能登地方地震が発生し、また、9月24日には台風15号による静岡県内での鉄塔倒壊に伴う大規模停電が発生しました。被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。当部といたしましては、大規模自然災害に備えた対応ができるよう関係機関との連携を一層強めてまいります。

 

また、当部では例年の行事として、保安確保のために尽力し功労のあった個人や団体に対し、6月に鉱山保安功労者、8月に電気保安功労者、10月にガス保安功労者、11月に高圧ガス保安功労者として表彰させていただきました。個人41名、団体23事業者の方々を表彰させていただき、皆様の永年の保安確保に対する御努力、御功績に深謝する大切な機会とできたことは、私にとりましても大変喜ばしいことでした。

 

軽微な事故や繰り返す異常を軽視せず、平素からの備えを心掛けつつ、発生した事故に対する原因究明や再発防止に努めることが重要です。本年も保安体制の構築、強化に向けて、引き続き御理解、御尽力をお願いするものであります。

 

さて、産業保安分野においては、カーボンニュートラルへの対応や自然災害の激甚化・頻発化に加え、保安人材の不足・高齢化や電力・ガス供給構造の変化など、将来にわたって産業保安を継続的に確保する上での課題が顕在化しています。さらには、他の産業分野と同様に、IoTやビッグデータ、AI、ドローン等の新たなテクノロジーが革新的に進展する中、こうした技術の導入を通じ、データを駆使して保安レベルと操業の効率性・生産性を持続的に向上させるための取組である「スマート保安」の時代を迎えております。産業保安やその規制体系の前提となる経済社会情勢が大きく変化する中、我々は、今、将来の産業保安のあり方を考える上で大きな岐路にあります。

 

昨年6月には「高圧ガス保安法等の一部を改正する法律」が成立しました。この法改正では、太陽光・風力発電設備の保安規制の見直し、ガス事業者間の災害時連携計画の事前策定の義務づけ、燃料電池自動車の規制を道路運送車両法に一元化する等を行ったほか、保安人材不足への対応、画一的・詳細な個別規制や多数の届出が必要である現状に対応するため、「認定高度保安実施事業者制度」が創設されました。この制度は、新たなテクノロジーを活用しつつ、自立的に高度な保安を確保できる事業者を厳格に審査・認定し、安全確保を前提にその保安力に応じ手続や検査の在り方を見直すものでございます。例えば届出の手続を不要として、記録保存手続とすることや、常時監視・遠隔監視の普及を踏まえ、施設毎の保安人員配置を合理化すること等の見直しとなります。本制度の運用を通じて、事業者の新たなテクノロジーの導入に向けた投資意欲を喚起し、事業者の保安レベルを持続的に向上させるとともに、人材不足に対処してまいりたいと考えております。

 

末筆となりますが、関係各位の御健勝と御多幸、そして無事故・無災害の一年となりますことを祈念いたしまして、新年の御挨拶といたします。

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